- 投稿日:2020年10月15日 9時06分
トラックの運用方法として、
1:トラックの寿命を基準に考える
2:コストの最適化を基準に考える
をお伝えしてきました。
トラックはものを運ぶ機能がある限り、価値が存在します。
言い換えると、トラック購入代金を現物に替えて、輸送をおこなっています。
つまり、お金が道路を走っているようなものです。
今回は第3段。
「減価償却を基準に考える」をお送りいたします。
法律で決まった帳簿価格と、実際に売買される再販価格の差額を利用した入れ替え方法です。
【トラックを簿外資産にする】
運送会社に所属して走っているトラックは、再販価値ともうひとつ違う価値をもっています。それが「帳簿価格」です。
決算書(帳簿)には、ルールがあって、だいたい3〜7年で帳簿上の価値が1円になるように設定されています。
「この種類のトラックは、5年使ったら価値がなくなるよね」と法律で決まっているのです。(耐用年数)
目減りした分の費用(減価償却費)は、買った初年度が一番多く、だんだん少なくなるように設定されることが多いのです。(定率法)
再販価格と帳簿価格を比較すると、大きな差額が出ます。
本当は再販価格が高いのに、帳簿上は低く見積もられていることがあるのです。
この差額が一番大きなときに、トラックを入れ替えると、より多くの経費が計上できる仕組みになります。
言い換えると、帳簿と再販価格の差が、含み益となりトラックに溜まっていきます。
溜まった含み益は、帳簿に記載されない資産として、トラックを運用することになります。
【いつ入れ替えるとお得なのか?】
トラックの種類や再販価格にもよりますが、だいたい2年半から3年の間になります。
そして、手にするメリットは、支払う税金が少なくなるという節税効果を得ることになります。
【大きな問題点】
ただし、この運用方法は出金を伴います。
経費は計上できますが、トラックを購入すると現金が出ていくので、注意が必要です。
同時に、決算対策として導入すると、トラックの売買利益が帳簿に記載されていくために、節税効果も期待できません。
つまり、あまり早い段階で入れ替えると、トラックを十分に活用することなく、お金は出ていくは、税金はたくさん払わなければならないは、ふんだりけったりの浪費になってしまいます。
毎年の利益見通しを見ながら、決算後に入れ替えるとメリットを受けることができるはずです。
安定して利益が出ている運送会社だからこそできる、トラック運用法になります。
(顧問税理士さんや会計士さんと相談してくださいね)