- 投稿日:2025年05月31日 13時50分

今回は、そんな居眠り運転について、なぜ起こるのか、どう防げばよいのかと、物流を支えるトラックドライバー・貨物運送業界の取り組みについてご紹介していきます。
Contents
居眠り運転のリスクと背景
居眠り運転とは?その特徴と危険性
居眠り運転というのは、運転中に眠気のせいで意識がぼんやりとして、いつものようにハンドルやブレーキを操作するのが難しくなってしまう状態のことです。完全に眠り込んでしまうケースはもちろん、ちょっとウトウトして集中できなくなるような状態も含まれます。
こんな時によく起こりがちです:
- とっさの判断ができなくなる
- ブレーキを踏むタイミングが遅れる
- 気がつくと車線からはみ出している
- 前の車に気づくのが遅れてしまう
例えば高速道路で時速80kmで走っている時、ほんの3秒間ぼーっとしてしまうだけで、車は約67メートルも進んでしまいます。これは高速道路で時速80kmで80m(時速と同じ数字m)の車間距離だった場合を考えると事故が起きるには十分な距離なんです。
眠気を襲う魔の時間帯と眠気のリズム
居眠り事故の発生率とその時刻を示したものである。実線が居眠り運転事故、点線が運
転事故全体を示している。運転事故は日中の中でも、朝と夕方のラッシュ時に多い。これに対して居眠り事故は交通量の少ない時間帯に多発しており、二つの山が見て取れる。一つは夜半から早朝にかけてのピークであり、もう一つが午後2時から4時のピークである。引用元:【公益財団法人国際交通安全学会】Vol.38,No.1 長時間運転と疲労/[論説]居眠り運転発生の生理的メカニズム / 著書:林 光緒
居眠り事故の二つのピークは、ひとつは深夜から早朝にかけて、もうひとつは午後2時から4時ごろに集中しています。
著書の中ではこれは眠気のリズムによるものに原因があると説明されています。
眠気のリズム
- 24時間リズム:体温が低下する夜半から早朝にかけて最も強い眠気が生じる
- 12時間リズム:午後に眠気が生じやすくなる
- 2時間リズム:高速道路など単調な環境下での長時間運転中に眠気が発生しやすくなる
■24時間リズムの眠気
24時間リズムの眠気は、人としての自然現象で体温と睡眠覚醒のリズムで、夜間は体温が低下していくとともに眠気が増大。早朝の低温付近で眠気が最も強くなり、居眠り事故もこの時間帯に多くなっています。
■12時間リズムの眠気
12時間リズムの眠気は、詳しいメカニズムは解明されていませんが、、色々な研究がされていてます。
昼食や睡眠不足は眠気を引き起こす要因の一つですが、昼食を調整したり睡眠を取っていても午後に眠気を生じるリズムが備わっていることがわかっています。
- 昼食の内容が午後の眠気に影響する
- 食べ物を咀嚼しただけで吐き出したら眠気は高まらなかった
- 食べ物を咀嚼して飲み込んだら45分後に眠気は高まった
- 流動食や水を摂取した場合では眠気は高まらない
- 高脂肪または低脂肪の食事をとると1.5時間後に眠気が強くなった
- 午後の眠気は昼食とは無関係に生じる
- 昼食を2時間早めても、昼食を抜いても、昼食を取った場合と変わらず、午後には眠気が生じる
- 寝不足でなくても午後の眠気は生じる
■2時間リズムの眠気
2時間リズムは、単調な環境下に2時間周期で比較的弱い眠気であり、動機付けが高くなったり環境が変化すると、眠気を感じることは少なくなる。ただ完全に消失するわけではなく単調な環境下に置かれる再び眠気が数時間周期で出現します。
眠気の高まりとともに反応速度が遅くなり、事故につながりやすいことから、高速道路など比較的単調な道路を長時間運転する場合は、定期的に休憩するなど注意が必要です。
居眠り運転と睡眠時無呼吸症候群(SAS)の関係
睡眠時無呼吸症候群の症状
睡眠時無呼吸症候群(SAS)という病気をご存知でしょうか。これは眠っている間に呼吸が止まったり浅くなったりを繰り返してしまう病気で、居眠り運転の原因の一つになっています。
日中の眠気、集中力の低下、披露など自覚症状はあるものの、症状が徐々に重症化したり、SASによる眠気を加齢による慢性疲労症状と誤認されやすいためSASの自覚がないまま見過ごされがちです。
睡眠中に一時的に呼吸ができなくなるため、睡眠時間を確保していても睡眠の質が著しく低下してしまいます。その結果、深刻な寝不足が連日続いているような状態になります。
また、その症状により程度が異なり、1時間あたりに10秒以上の呼吸停止や低呼吸が15~30回発生する場合は”中程度”、50~60回発生する場合は”重度”と診断されます。起床中ではありえない頻度で、呼吸をしていない状態になっているのです。
合併症のリスクも指摘され、高血圧・肥満・糖尿病・心血管疾患など生活習慣病との合併が広く指摘されています。引用元:SAS担当になったら
運送業で、特に注意喚起されているものが、事前の眠気の有無にかかわらず急に意識がなくなる意識喪失です。運転中に突然意識を失って重大事故につながるケースも報告されていて、国土交通省やトラック協会などSAS対策を推奨する制度を整備、構築しています。
引用元:睡眠時無呼吸症候群(SAS)による眠気に起因した自動車事故例の検討─本邦刑事判例における司法判断と予防対策について─
【SAS 関連リンク】
【トラック協会】「トラック運送事業者のための健康起因事故防止マニュアル(令和6年8月改訂)」
【国土交通省】自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル(PDF)
居眠り運転を防ぐための対策
眠気を感じた時の対処法
- 安全な場所で休憩を取る
- サービスエリアやコンビニの駐車場など、安全な場所に車を停める
- 15〜20分ほどの短い仮眠を取ってみる
- 車内の温度を調整して、シートを倒してリラックス
- コーヒーなどでカフェインを摂る
- コーヒーや緑茶に含まれるカフェインは、飲んでから30分くらいで効果が出てきます
- ただし、これは一時的な効果なので、根本的な解決にはならないことを覚えておいてください
- 軽く体を動かす
- 車から降りて新鮮な空気を吸う
- 首や肩をゆっくりストレッチして血行を良くする
- 少し歩いてみるだけでも目が覚めることがあります
運転前に行うべきスクリーニングと検査
居眠り運転を防ぐには、運転する前のちょっとしたチェックがとても大切です。
【運転前のセルフチェック】
- 昨夜の睡眠はどうでしたか?
- 最低でも6〜7時間は眠れましたか?
- 夜中に何度も目が覚めませんでしたか?
- 朝起きた時に疲れが残っていませんか?
- 今日の体調はいかがですか?
- 薬を飲んでいて、眠くなる副作用はありませんか?(花粉症の薬にも眠くなる副作用があったりします)
- 風邪を引いていたり、体調が悪くありませんか?
- ストレスや心配事で疲れていませんか?
- 今日の運転計画を見直してみましょう
- どのくらいの距離を運転する予定ですか?
- 途中で休憩できる場所を確認していますか?
- もし疲れた時の代わりの交通手段はありますか?
居眠り検知装置について
近年、乗用車もそうですが、安全装置の充実がかなりのスピードで進化しています。
ドライバーの顔や目の動きで判断するドライバーの監視装置はドライバーの瞬きの監視を行い目を閉じた状態が一定の時間すぎると居眠りをしていると判断し、警告音が鳴るシステムです。
また、この機能は居眠り運転の防止だけではなく、わき見運転も感知し警告してくれます!
この最新であろう、ドライバーの居眠り防止機能はとっても魅力的ですよね!!
ただ、この機能が欲しいなら最新のトラックを購入しなければいけないの??という疑問が
出てきます。
居眠り防止対策が搭載しているトラックは2000年前後に開発されています。
なのですでに中古車市場にも多く出回っております!!!!!!
新車の購入が納車期間的に、予算的に厳しいと考えている方でも、ヨシノ自動車のような
中古トラック販売店を利用することで、こういった安全装置が搭載されているトラックも
中古トラックで効率的にGETできます!!
まとめ
睡眠時無呼吸症候群の潜在患者数を考えると居眠り運転の防止は、社会全体で取り組むべき重要な課題です。高齢化社会の進展、働き方の多様化、長時間労働の常態化など、現代社会の構造的な問題が居眠り運転のリスクを高めています。
物流業界全体としては、労働環境・勤務時間の適正化や健康管理体制の構築、防止策・予防策に取り組み、実施されトラック等の車両自体にもAI技術やIoTを活用した運転支援システムの普及することが期待されています。
トラックドライバーの皆さんは運行中に、運転中にどうしても、なにをしても吹き飛ばせないような眠気に襲われた場合はもう諦めて、安全な場所に停車し、睡眠をとってください!
これが一番確実な居眠り防止策になります。荷物の到着が遅くなってしまうリスクが
高くなってしまいますが・・・。それでも、眠気を我慢して、ウトウトしながら運転を続け、
もし事故を起こしてしまった場合、大変なことになります。なので10~20分でもいいです!
思い切って睡眠をとり、安全第一で運転を出来るようにしましょう!!
今日も皆さまが安全運転を出来るように願っております(*´▽`*)良い一日を!!