- 投稿日:2024年08月01日 8時21分
VOLVOTRUCKの歴史について、シリーズ1、シリーズ2と解説してきて、今回が最後になります。
シリーズ3では、第一次世界大戦がはじまった1930年代後半 からのお話です。現在のトラックの原型ができてきたのもこのシリーズからになります!
VOLVOTRUCKの歴史について、シリーズ1、シリーズ2と解説してきて、今回が最後になります。シリーズ3では、第一次世界大戦がはじまった1930年代後半 からのお話です。現在のトラックの原型ができてきたのもこのシリーズからです。
■VOLVO TRACKの歴史
★1930年代後半:第一次世界大戦に突入
この頃、第一次世界大戦により、各国は侵略から身を守るために、防衛能力を高める対応を開始しました。グローバル企業であったボルボは何か起きるのではないかと予測し、自国防衛に向けて舗装されていない道路を走るトラックの設計と開発を行いました。同時に、航空機などの空中目標を撃破する「対空砲」や「大砲」を引くことが出来る6×4クロスカントリートラック「TVA」が開発されました。後輪が全輪駆動方式のため悪路に強く、ぬかるんだ場所での走行性能を向上させるため、第一車軸と第二車軸の間に、接地圧を減らすための小型車輪が取り付けられていました。ほとんどの重量が前車軸に架かったことで、走行性能に優れていました。
★1940年代
世界は第二次世界大戦がはじまり、ボルボでは民間向けの車両需要は大幅に減りましたが、スウェーデン軍に納車する軍用車両の受注が増えたことで、民間向け車両の需要不足分を補っていたそうです。舗装されていない道路や、公道ではないような道を走行することが出来る「TVC」などの開発と生産が行われました。また、同時期に中型・大型トラックへディーゼルエンジンを搭載する傾向が強くなり、1940年代後半は戦前モデルのトラック生産が増加しました。
★1950年代
ここまで使用されていたガソリンエンジンと初期のディーゼルエンジンは、直噴式ディーゼルエンジンに取って代わり、ボルボはターボチャージャーを取り付けたディーゼルエンジンを使用し始めました。ディーゼルエンジンを使うことによりエンジンの出力が大幅増加し、大きくて・重くて・長い車両を製造できるようになったので、開発が行われました。この時、エンジン出力の向上によりできた特殊車両が、現在の大型車両や採掘場などで使用される特殊車両になっています。また、キャブの後方にベッドが付くことによって、長距離運行を可能とし、運転手の操舵を補助するパワーステアリングによってドライバーの負担が減り、経済の成長も重なったことで世界的にトラック輸送の需要が高まっていきました。
★1960年代
世界的に、高速道路が整備されたり、道路のインフラが世界的に進んだことで、これまで荷物運びの方法として主流だった、「貨物列車」「船」「航空機」の代わりに、トラックでの輸送が主役となっていきました。トラックでの輸送は、荷物の積み替えがなかったり、荷物の量や運ぶ時間が柔軟に対応できたりでメリットがたくさんあったからです。スウェーデンでは安全基準をクリアしたキャビンが導入され、シートがサスペンションになったり、ハイキャブオーバーで目で見たときの確認をしやすくしました。
★1970年代
1962年にボルボが「チルトキャブ(キャブが前へ倒れる機能)」を開拓し、その機能をヨーロッパの各メーカーが採用しました。このとき、貨物自動車業界に大きな影響を与えた新型「Volvo F10/F12」が発表されました。
★1980年代
エアサスペンションが採用されました。ボルボでは「CH」や「F」シリーズの生産を行っていました。
★1990年代
この頃から、環境意識が高まり始め、排出ガスなど環境への対応、騒音低減への対応を行いました。それぞれの国で様々な環境基準が採用されていて、これに適合するための車両開発を始めたのもこの頃でした。
★2000年 ~ 現在
電子製品採用による電子制御エンジンやデジタル車両管理などの採用。輸送効率と輸送コスト、安全性の追求。メタンガスなど代替燃料、電気自動車、ハイブリット車両などの開発を行い始めました。
ボルボはのキャブはスウェーデン北部にあるウメオという街と、ベルギーにあるヘントという街で製造されています。エンジンは、スウェーデン南部のシェブデで製造が行われています。部品流通センターはベルギーのヘントにあり、世界各地に組立工場を保有しています。(アメリカ、インド、タイ、オーストラリア、ベルギー、中国、南アフリカ、フランス、ロシア、ブラジル)
VOLVOの歴史について1~3でシリーズとして書いてきました。
次回は、ボルボFHの魅力について書いていきたいと思います(`・ω・´)ゞ