- 投稿日:2024年09月05日 13時22分
こちらの記事では、冷凍車の仕様上の注意や日常点検について解説しています。
冷凍車が活躍する時期だからこそ、もう一度安全に使用するためにはどうしたらいいのか、確認しておきましょう!!
Contents
■冷凍車の仕様上の注意
使用前には必ず予冷を
荷物を積み込む際、庫内の温度が荷物よりも高い温度だと、荷物の温度が上昇してしまいます。
冷凍機は、積み込んだ荷物を冷凍したり、温度を下げたりするものではありません。荷物の温度を維持して輸送するためのものです。積み込む荷物の品質を損なわないためにも、あらかじめ庫内を十分に冷やしてから荷物を積み込んでください。
【機械式冷凍機】 予冷に時間がかかります!早めに庫内を冷やして荷物を積む準備をしてください。
【蓄冷式冷凍機】 蓄冷すると同時に、予冷されます!なので、予冷する必要はありません。
★荷物の正しい積み込み方
庫内の奥から詰めて、荷物を載せてしまうと冷気が平等に行き渡らない可能性があるので、全体に冷気が行くように、庫内の前面、天井、側面、床面、後扉に隙間を開けながら荷物を積み込んでください。
また、冷気の吹き出し口付近は冷気によって荷物が傷んでしまう恐れがあるので、カバーなどをして直風を避けてください。冷気の循環が悪くなってしまうので、エバポレーターの吹き出し口、吸い込み口付近に荷物を置かないでください。故障の原因になったり、冷却効果が低下してしまったりします。
★2室仕様の注意
荷台の真ん中あたりに「仕切り板」という物を置くと、箱を2つの部屋に分けて使用することができます。そこで注意するのは、仕切り板周辺の荷物は冷気の漏れ、伝熱による凍結を起こしやすくなっています。断熱シートを使って、防ぐようにしてください。
★運搬中も庫内温度の確認
大切な荷物を傷ませないためにも、運搬中もつねに庫内温度を確認するようにしてください。
★冷気を逃がさない積み降ろしを!
基本的には、リアドアから荷物の積み込み・積み降ろしを行います。
もちろん、扉を開けば短時間で冷気が外に出てしまって、庫内の温度が上がってしまうので、できるだけ短時間で積み込み・積み降ろしを行ってください。
また、カーテンをつけることによって外気の侵入・冷気の流出を防ぐことができるため、必ずつけた方が良いです。
★庫内換気が必要な場合も?
ドライアイスや、液体窒素などを使用する場合、庫内にガスが充満しているため、扉を開けてすぐに庫内へ入ると酸欠になる恐れがあります。実際、酸欠になってしまった事故も起こっているので、十分に換気をしてから庫内に入るようにしましょう。
■冷凍車の酸欠症事故について
この事故は、保冷車から冷凍食品を荷降ろししている作業中に発生しました。
この時、保冷車で使っていた冷凍装置は「液化窒素式低温輸送装置」で、液体窒素が充填された物が荷室の天井から噴出して荷室を冷やすものでした。
事故の日、いつものように冷凍食品を荷降ろしていた際に、荷室に充満していた窒素ガスを吸ってしまい、酸素欠乏症になってしまったそうです。
液体窒素が噴出されている荷室に入ったのと、運転手が運転席にて仮眠していたため、運転席あった冷凍装置の停止ボタンを押すことができなかったことなど、様々な要因が重なって起こってしまった事故です。
このような事故がまた起こらないように、作業者に対して酸素欠乏症の危険性や防止対策などの知識を拡散するようにしましょう!
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≪ホイールボルトの折損等による車輪脱落事故の発生状況と発生原因について≫
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■メンテナンスで清潔に!!
1週間に1度、庫内を清掃し、乾燥させてください。これを行うことにより、清潔さを保つことができます。
いつも清潔に!
冷凍車は食品の運搬がほとんどをしめています。
品質・鮮度が命の食品を運搬することも多々あるため、庫内の清潔さは非常に重要になってきます。
特に油分や塩分を多く含んでいる物を運搬した際には、十分に清掃するようにしてください。
ドレンホース内もわすれずに
ホース内は特に不衛生になりやすいです。
水洗いをした後は、ホースの先端を開いてゴミを出してください。
また、冷気が逃げて冷却性能が低下する可能性があるので、ホースに損傷がある場合は早めに交換をしてください。
パッキンの交換は早めに
パッキンが傷んでしまうと、隙間から冷気が逃げてしまうため、速やかに新品と交換して、冷却効果を維持してください。
コーキングの剥がれを放置は
壁に水が入って断熱効果が低下してしまいます。すぐに修理が難しい場合は、応急処置でテープなどを張ってください。
壁の穴はすぐに修理を!
外側の壁、内側の壁共に、穴が開いてしまったりしたら、すぐに修理してください。
そのままにしておくと、壁に水が入ったりし、断熱効果に影響がでてしまいます。
■日常点検について
★コンプレッサベルトの確認(機械式のみ)
コンプレッサベルトのゆるみはベルトを軽く押して確認してください。
★冷媒封入量に確認
冷却性能が低下しないためにも、冷媒が漏れていたり、多すぎないかを確認してください。
冷却装置を10分以上運転してから、サイトグラスを見てみてください。現状の状態が見れると思います。
◯ 適 量 : ほぼ透明
✕ 不 足 : 気泡が流れているのが分かる
✕ ほぼなし : 霧みたいなものが流れているように見える
■冷凍車を安全に使用するには?
・子供が中に入って遊んだりして閉じ込められないように、冷凍車を使用しないときは、庫内に入れないように鍵を閉めておいてください。
・万が一、庫内に閉じ込められてしまった時に、脱出装置をスムーズ使用できるように、設置場所や使い方、作動を確認してください。(緊急時に使用するベルト・チェーンが切れていないことも確認してください。)
≪非常脱出装置の使い方≫
●脱出する時●
1.ワイヤーを取出す
2.ワイヤーを引く
3.ドアを押す
※非常時以外はワイヤーを引かないで下さい
●元に戻す時●
1.ワイヤーを引きながら本体を起こす
2.本体の固定を確認
3.ワイヤーを収納する
・走行する前に、庫内のドアが完全に閉まっているか確認してください。もし半ドアで走行した場合、途中で荷物が落下してしまったり、ドアが開いてしまって人や車に当たってしまう可能性があります。
・エンジンの熱で発火することを避けるため、キャブとコンテナの間には燃えるような物を置かないでください。
・スタンバイなどで使用する電源コードは電源プラグを抜いてから走行してください。コードがちぎれてしまったり、感電することを避けるためです。
・掃除、点検をする時は、ファンでケガをしないために、スイッチをOFFにし、電源プラグを抜いてから作業してください。
・ショートや感電しないように、電装品やモーターには水をかけないでください。
・走行中にドレンホースから、垂れ流しをしないように注意してください。もし、垂れ流しを行った場合、行政上の指示を受けることとなります!
・直射日光を避けるため、日差しの強いときは日陰で風通しのよい場所で休憩しましょう。日差しが強いときは、外側の壁を熱して、外からの熱の影響を受けてしまうためです。効率よく、庫内を冷やすためには、極力注意しましょう。
フルエアサスとは?
トラック業界では、「フルエアサス」と呼んだり「総輪エアサス」と呼んだりします。フルエアサスはフロント&リアともにエアサスペンション仕様なので、リアのみサスペンション付(リヤエアサス)の車輌よりも荷台への振動を約2割低減することが出来ます。そのため、高級生鮮食品・精密機械の輸送等に適しています。
また、フロントのエアサスペンションが付いていることで、ドライバーの運転疲労を大幅に軽減し、快適な乗り心地を実感できると思います。
このエアサスは、乗り心地や荷物への振動を減らすことはもちろんなのですが、荷物の積み降ろしの際にも大活躍します。フロントサスペンションと、リアサスペンションの車高調整機能を使い、車輌を前傾・後傾することができることにより、キャスター付のカゴの搬入・搬出の作業をスムーズに行うことが出来ます。
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