- 投稿日:2025年06月05日 17時21分

Contents
増トントラックとは?基礎知識を解説
増トン車の定義と種類
増トントラック(増トン)とは、中型トラックよりも積載量を増やした特別な車両のことを指します。通常の中型トラックが車両総重量8トン未満であるのに対し、増トンは8トン以上で設計されています。
この車両は、一般的な中型トラックのサイズを保ちながら、より多くの荷物を運べるように設計されているのが特徴です。車体の長さや幅は標準的な中型トラックとほぼ同じでありながら、積載能力が大幅に向上しているため、都市部での配送や狭い道路での運行にも適しています。
増トンの読み方とその歴史
「増トン」は「ぞうトン」と読みます。この呼び方は、積載量を「増やした」「トン数」という意味から生まれました。
増トン車の歴史は、物流業界の効率化ニーズとともに発展してきました。都市部での配送効率向上や燃費改善の観点から注目を集めるようになりました。特に宅配便の急速な普及に伴い、より多くの荷物を効率的に運べる車両への需要が高まったことが、増トン車の発展を後押ししました。
増トントラックの一般的な特徴と仕様
大きな特徴として、コンパクトなボディに高い積載能力を実現している点が挙げられます。中型トラックとほぼ同じサイズを維持しながら、積載量は6トンから10トン程度まで対応可能です。
車体の構造も積載重量に耐えられるよう強化されており、安全性と耐久性の両立が図られています。
増トントラックの積載量と種類
増トンの最大積載量とは?
トラックの最大積載量は、車両総重量から車両重量と55kg×乗車定員数を差し引いた値で決まります。一般的に、増トン車の最大積載量は6トンから10トン程度となっており、標準的な中型トラックの3トンから4トン程度と比較すると、大幅に多くの荷物を運搬することが可能です。
ただし、実際の積載量は荷物の種類や形状によって変わってきます。重量だけでなく、荷台の容積も考慮する必要があり、軽くてかさばる荷物の場合は重量限界に達する前に容積の限界に達することもあります。
6トン、8t、10t増トン車の違い
増トン車は積載量によっていくつかの呼ばれ方があります。6トン増トン車は比較的コンパクトでありながら十分な積載能力を持ち、都市部での配送に適しています。運転のしやすさと積載量のバランスが良く、初めて増トン車を運転する方にも扱いやすい車両です。
8トン増トン車は、6トン車よりもさらに多くの荷物を運べるため、中距離輸送や大量の荷物を扱う業務に向いています。車体サイズは6トン車とほぼ同じですが、エンジンパワーや車体の強度がより高められています。
10トン増トン車は増トン車の中でも最大クラスの積載能力を持ち、大型トラックに近い運搬能力を発揮します。ただし、運転には大型免許が必要となる場合が多く、取り扱いには十分な経験と技術が求められます。
増トンウイング車のスペックを確認!
メーカー日野レンジャー
型式 | 2PG-FE2ACG |
車両総重量 | 13,280kg |
最大積載量 | 6,600kg |
馬力 | 240PS |
荷台内寸 | 6,270 × 2,410 × 2,420mm |
詳細 | ワイド幅/リアエアサス/格納ゲート |
免許 | 大型免許 |
増トン車を運転するための免許
増トン車を運転するために必要な免許は、車両総重量によって決まります。車両総重量が8トン以上11トン未満の増トン車の場合、中型免許が必要となります。車両総重量11トンもしくは最大積載量が6.5トンを超えた一部の大型増トン車については、大型免許が必要になります。
車両総重量 | 最大積載量 | |
大型免許 | 11トン以上 | 6.5トン以上 |
中型免許 | 11トン未満 | 6.5トン未満 |
増トン車の見分け方と選択ポイント
増トン車を見分ける際のポイントとして、まず車体に記載されている車両総重量や最大積載量の表示を確認することが重要です。これらの情報は、運転席付近や荷台部分に表示されていることが多いです。
外観的な特徴としては、標準的な中型トラックと比べて若干車高が高く、タイヤが太めであることが挙げられます。また、リアアクスル(後輪軸)の構造が強化されていることも特徴的です。荷台の形状や装備も、積載量に応じて強化されていることが多く、これらも見分けるポイントとなります。
また、日野、いすゞはメーカーの車両型式のハイフン(-)の右側の最初のアルファベット表記2~3文字で見分けることもできます。
例)2PG-FE2ACG
メーカー | 増トン | 中型 |
日野レンジャー | FE/FG/FJ/FX/GC/GD/GK/GX | FC/FD |
いすゞフォワード | FSR/FTR/FVZ | FRR |
増トン車のデメリットと注意点
増トン車の運転において注意すべき点として、車両重量が重いことによる制動距離の延長があります。特に満載時には、通常の中型トラックと比べて停止距離が長くなるため、十分な車間距離を保つことが重要です。
また、積載量が多い分、重心が高くなりやすく、カーブでの横転リスクが高まることもあります。運転の際は、速度を控えめにし、急な操作を避けることが安全運転につながります。
増トンクレーン付トラック(ユニック)の利点
クレーンの重量があるため、中型トラックに合わせて車両総重量8t未満とした場合にどうしても最大積載量が少なくなってしまいます。増トン車にすることで輸送能力を失うことなく荷物の積み下ろしを効率的に行える点で非常に便利です。
重量物や大型の荷物を扱う際には、人力での作業が困難な場合が多いですが、クレーンがあることで安全かつ迅速な作業が可能になります。
建設現場や工場などでは、このようなクレーン付き増トン車の需要が高く、作業効率の向上に大きく貢献しています。
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まとめ
増トン車は、効率的な物流を実現するための重要な手段として、今後もその需要は継続すると予想されます。特に、環境性能の向上や運転支援技術の発達により、より使いやすく環境に優しい車両が登場することが期待されています。
電動化の波も徐々に増トン車市場に影響を与えており、将来的には電気増トン車の普及も見込まれています。また、自動運転技術の発達により、より安全で効率的な運搬が可能になることも期待されています。
増トン車を検討している方は、現在の技術動向を踏まえつつ、自身の業務に最適な車両選択を行うことが重要です。適切な車両選択と運用により、物流効率の大幅な向上が期待できるでしょう。