ホーム > トラック豆知識 > 14.その他 > トラック運転手必見!あおり運転とは?その危険性と対策まとめ
ボルボ トラック

トラック運転手必見!あおり運転とは?その危険性と対策まとめ

トラック運転手必見!あおり運転とは?その危険性と対策まとめ

あおり運転とは?


あおり運転とは、車間距離を詰める、幅寄せする、急ブレーキをかける、無理な追い越しを行うなど、他の運転者に対して攻撃的または威圧的な行動を取る運転のことを指します。これらは重大な事故を引き起こす原因となり、被害者の命を脅かす非常に危険な行為です。

特にトラックは車体が大きく、操作性にも制約があるため、あおり運転を受けると非常に危険です。車間を詰められるとブレーキの効きや安全な回避行動が取れなくなり、事故につながる可能性が高まります。

近年ではドライブレコーダーの普及によって発覚件数が増えただけでなく、交通量の増加やドライバーのストレスも背景にあるといわれています。また、SNS上での注目を集める目的で行われる“晒し運転”も一因です。

法改正による厳罰化


令和2年(2020年)6月に道路交通法が改正され、大きく法制度が変わりました。
これまではあおり運転に対する直接的な罰則がなく、危険運転致死傷罪や暴行罪などで対処するしかありませんでした。

妨害運転罪(「あおり運転」)の創設

令和2年6月10日に公布された改正道路交通法により妨害運転罪が創設され、同年6月30日から、他の車両等の通行を妨害する目的で、急ブレーキ禁止違反や車間距離不保持等の違反を行うと、最大で懲役3年の刑に処せられることとなりました。
また、妨害運転(「あおり運転」)により、高速道路等において他の自動車を停止させたり、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた場合は、最大で懲役5年の刑に処せられます。
さらに、妨害運転をした者は、運転免許を取り消されることとなります。

引用元:【一般財団法人 全日本交通安全協会】令和2年6月30日 妨害運転(「あおり運転」)に対する罰則の創設等

あおり運転の被害にあってしまうきっかけは?


あおり運転を受けるきっかけは、些細な行動が引き金になることが多くあります。
たとえば、車線変更の際にウインカーを出すのが遅れたり、後続車の進行を妨げるようなタイミングで割り込んでしまうと、相手が不快に感じて反応してくる場合があります。また、追い越し車線を長時間走行したままになっていることや、信号待ちで出遅れるといった行為も、後ろのドライバーのストレスを高め、あおり運転へと発展することがあります。

特にトラックは車体が大きいため、一般車から見て威圧感を与えやすく、無意識のうちに誤解されることもあるのです。こうした状況を避けるためには、常に周囲の流れを意識し、譲り合いの気持ちを持って運転することが大切です。自分では丁寧に運転しているつもりでも、相手の感じ方は異なることを意識しておきましょう。

あおり運転に遭わないための対策!


あおり運転を完全に防ぐことは難しいですが、遭遇のリスクを下げるために心がけたいポイントがあります。まず大切なのは、周囲の車との「適切な距離」を保つことです。車間距離が詰まりすぎていると、相手はプレッシャーを感じて不快に思う場合があります。特に高速道路では「前車との2秒間隔」を目安に走行しましょう。

次に、ウインカーの早めの使用です。進路変更や右左折の際、ギリギリでウインカーを出すと、後続車にとっては急な割り込みに感じられ、反感を買いやすくなります。進行方向を早めに知らせることで、周囲に安心感を与えることができます。

また、追い越し車線を長時間走行し続けないことも重要です。追い越しが終わったら速やかに走行車線へ戻るのが基本ルール。これを守らないと、後続車が「道をふさがれている」と感じてストレスをためてしまうこともあります。
※追い越し車線を走り続けることは交通違反となります。

無理な割り込みや急ブレーキ、過度な加減速も避けましょう。周囲の流れに合わせたスムーズな運転を心がけることで、相手の不満や不信感を減らせます。

さらに、相手の感情を逆なでしない行動も大切です。たとえば、軽くクラクションを鳴らしたつもりでも、相手には挑発と受け取られる場合があります。身振りや表情にも注意し、冷静な対応を意識しましょう。

最後に、ドライブレコーダーを前後に装着することも有効です。「録画されている」とわかるだけで、加害者側の抑止力になります。また、万一の際には証拠としても役立ちます。

日頃から安全運転を心がけ、周囲と調和した走行をすることが、あおり運転を防ぐ最善の対策です。

あおり運転にあってしまったときの対処方法


あおり運転に巻き込まれたときは、まず冷静さを保つことが何よりも大切です。相手の挑発に乗ってしまうと、状況はさらに悪化する恐れがあります。クラクションを鳴らし返したり、スピードを上げて逃げようとするのは逆効果です。感情的にならず、安全確保を最優先に行動しましょう。

まずは車間距離を取り、速度を落とすことを心がけます。無理に加速して逃げようとせず、後続車との間にスペースをつくることで、相手の行動をエスカレートさせないようにします。また、追い越しをさせることも有効です。あえて道を譲ることで、相手が通過してくれる場合もあります。

それでも執拗に追いかけてくる場合は、安全な場所に避難することが重要です。高速道路ならサービスエリアやパーキングエリア、一般道ならコンビニや人目のある駐車場など、安全なスペースに車を止めて、ドアをロックしましょう。絶対に車外に出ないようにし、窓も開けないでください。

状況が危険と判断したら、すぐに110番通報をしましょう。その際には、落ち着いて以下の情報を伝えると、警察も迅速に対応できます。

  • 現在地(道路名や目印
  • 相手の車の特徴(ナンバー、車種、色)
  • あおり運転の内容(幅寄せ、進路妨害など)
  • 自車の状況(停車中、走行中など)

また、ドライブレコーダーでの録画も重要な証拠になります。録画中であることを示すステッカーを貼っておくと、あらかじめ抑止効果も期待できます。

被害を受けた場合は、後日、映像とともに警察や管轄の交通機関、または加害者の所属会社に相談・通報することも可能です。

あおり運転にあったときこそ、冷静で的確な対応が自分と周囲を守る鍵になります。

あおり運転の通報窓口・連絡先(日本国内)


あおり運転の通報窓口・連絡先(日本国内)

■緊急時は迷わず「110番通報」

あおり運転によって生命や身体に危険を感じる場合は、即座に110番通報してください。
通報時に伝えるべき情報:

  • 現在地(道路名、高速なら何キロポストか)
  • 車の走行方向
  • 相手車両のナンバー・車種・色
  • あおり行為の内容(幅寄せ、急ブレーキ、追走など)
  • ドライブレコーダーで録画中である旨(録画があれば、後日提出できます)

■非緊急の場合(危険は去ったが報告したいとき)

警察署や都道府県警の「交通相談窓口」へ連絡します。
各都道府県警察の公式サイトには、交通トラブルに関する専用相談フォームがある場合があります。

■#9910(全国共通の交通相談窓口

携帯電話・スマートフォンからでも利用可能な番号です。

  • 内容:信号トラブル・危険な運転・交通違反などの通報
  • 通話料金:有料(通話料がかかります)
  • 時間帯によっては混雑していることもあります

■高速道路での通報

  • サービスエリア・パーキングエリアにある非常電話
  • NEXCO(高速道路会社)の通報アプリやサイト
    • ○例:NEXCO中日本「あおり運転通報フォーム」など
    • ○高速道路の緊急通報は、NEXCOにとっても重要な安全管理項目

■トラック関連の相談(相手が業務車両の場合)

  • 一般社団法人 全日本トラック協会(https://jta.or.jp/
  • 会社名や車両番号がわかれば、当該会社へ直接苦情を伝えることも可能です
  • ドライブレコーダーの映像があるとよりスムーズです

あおり運転は「妨害運転罪」として取り締まりの対象になります。安全を確保した上で、冷静に情報を整理して通報することが重要です。

運転手のみなさまへ


日々、安全運転を心がけてくださっていることに、心から感謝いたします。運転中は予想外の出来事やストレスを感じることもありますが、どうか気持ちを落ち着けて、ゆとりある運転をお願いいたします。

あおり運転は、ちょっとした不満や焦りが引き金になることがあります。ですが、その一瞬の行動が、相手だけでなく自分自身の人生も大きく変えてしまう可能性があります。

イライラしたときは、深呼吸をして一度気持ちを落ち着けましょう。前の車が遅くても、急がず、譲り合いの気持ちを持って運転すれば、お互いに気持ちよく道路を使えます。

安全運転は、運転技術だけでなく「思いやり」も大切です。皆さん一人ひとりのやさしい運転が、事故を防ぎ、社会全体の安全につながります。どうか今日も、心に余裕をもってハンドルを握ってくださいね。