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貨物車とは?小型・普通貨物 / 軽バン・ライトバン、一般貨物・軽貨物などのワードを解説

貨物車とは?小型・普通貨物 / 軽バン・ライトバン、一般貨物・軽貨物などのワードを解説

貨物車はよく聞くけど具体的にどんな車両のことなのか・・小型貨物や普通貨物、一般貨物など何が違うのか・・。

  • 車検証での用途区分(貨物・乗用・特種)
  • 小型/普通/軽自動車の分類
  • 商用バンや軽バンの使われ方

本コラムでは、そんな疑問を解決するべく物流・運送・配送に関わる車両の種類や制度をしらべてみしました。

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貨物車とは


貨物車とは、広義としては主に貨物の運搬を目的として設計・製造された自動車のことです。
トラックはもちろん、最近配達で良く目にする軽バンや商用車ライトバン、ハイエースなどのワンボックスバンなどがあります。
狭義では、「貨物自動車」は道路運送車両法の自動車の用途区分で規定されています。
貨物:貨物の運送を主たる用途とする自動車

■車検証の用途区分

車検証に記載される用途区分は「貨物」「乗用」「特種」などがあり、用途欄が「貨物」となっていたら車両は貨物自動車となります。

乗用(乗用自動車等):
乗車定員10人以下の自動車で貨物自動車等及び特種用途自動車等以外の自動車
乗合(乗合自動車等):
乗車定員11人以上の自動車で貨物自動車等及び特種用途自動車等以外の自動車
貨物(貨物自動車等):
特種用途自動車等以外の自動車で、トラクタヘッドもしくは貨物設備と乗車設備の床面積と重量(貨物と人員)、座席と隔壁などの基準に適合するもの
特種(特種用途自動車等):
救急車、給水車、教習車、ミキサー車、キャンピングカーなど特種な目的で使用される自動車

引用元:【国土交通省】自動車の用途等の区分について[PDF]

【バンとワゴンの違い】

外観はよく似ているバンとワゴンですが、実は「用途」によって区別されています。

バン:
主に荷物を運ぶための車両(用途区分:貨物)
ワゴン:
荷物も積めますが、人の輸送が主な目的(用途区分:乗用)

ハイエースバン → 貨物車として登録されている
ハイエースワゴン → 乗用車として登録されている

小型貨物、普通貨物とは


車両には自動車の種別が道路運送車両法に基づいて定められており、車検証にも記載されている「軽自動車」、「小型自動車」、「普通自動車」、「大型特殊自動車」、「小型特殊自動車」があります。

軽自動車:
車長3.4m以下・車幅1.48m以下・車高2m以下。排気量660cc以下
小型自動車:
車長4.7m以下・車幅1.7m以下・車高2m以下。排気量660超2000cc以下※ディーゼルエンジンでは排気量の基準なし
普通自動車:
車長3.4m超・車幅1.48m超・車高2m超。排気量2000cc超※ディーゼルエンジンでは排気量の基準なし
大型特殊自動車:
ロードローラー、ブルドーザー等
小型特殊自動車:
農耕用トラクター、小型フォークリフト、小型ショベルローダーなど
つまり小型貨物とは小型自動車で用途区分が貨物の車両であり、普通貨物とは普通自動車で用途区分が貨物の車両です。
※道路交通法(免許)の普通自動車の定義とは異なりますのでご注意ください。

引用元:【一般財団法人 自動車検査登録情報協会】自動車の種類

■ ナンバープレートの自動車分類番号

ナンバープレートに表示される「品川」などの隣に表記される2~3桁の番号が自動車の種別と用途区分によって分類されています。

自動車の種別 用途 ナンバーの分類番号
上1桁目の数字
普通自動車 貨物 1
普通自動車 乗合 2
普通自動車 乗用 3
軽・小型自動車 貨物 4・6
軽・小型自動車 乗用 5・7
特種 8
大型特殊自動車 9
大型特殊自動車(建設機械) 0

商用車、商用バン・軽バンとは


「商用車」とは、業務用途を目的に設計・製造された車両の総称で、主に荷物の運搬を想定した広い貨物スペースを備えた“働く車”です。
内装や乗り心地などの快適性を重視した「乗用車」と比べると、商用車は簡素な内装、耐久性に優れた構造、荷物を積みやすい設計などが特徴です。
トラックも商用車に含まれますが、商用バン=ライトバンが広く一般的に認知されています。

【主な車種】

ライトバン:
(トヨタ)プロボックス、トヨタサクシード、(日産)ADバン、(マツダ)ファミリアなど
ワンボックスバン:
(トヨタ)ハイエース・レジアスエース、タウンエース・ライトエース、(日産)キャラバン、バネット、(マツダ)ボンゴなど
軽バン、軽トラ:
(トヨタ)ピクシス、(日産)クリッパー、(ダイハツ)ハイゼット、(スズキ)エブリイ、(スバル)サンバー、(三菱)ミニキャブなど

一般貨物とは


「一般貨物」とは、「一般貨物自動車運送事業」の略称です。
これは、不特定多数の荷主からの依頼を受けて、有償で貨物を運ぶ事業のことを指します。
使用する車両は、普通貨物車小型貨物車などが該当します。

この事業で使用する車両は、車検証の「自家用又は事業用の別」は「事業用」に登録されており、ナンバープレートは、緑地に白文字のいわゆる「緑ナンバー(営業用ナンバー)」が交付されます。

事業用ナンバープレート

正確な定義は以下です。

この法律において「一般貨物自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。次項及び第七項において同じ。)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものをいう。

引用元:貨物自動車運送事業法 | e-Gov 法令検索

貨物運送事業について


一般貨物運送事業以外に、特定の荷主のみの依頼を受けて有償で運送する事業を特定貨物自動車運送事業と、軽自動車(貨物)・二輪オートバイ(貨物)のみを使って任意の荷主から依頼を受けて有償で運送する軽貨物運送事業があります。
運送に使用する車両は「貨物用途」で登録されている必要があります。

二輪オートバイ:第1種原動機付自転車(排気量50cc以下)、第2種原動機付自転車(排気量50~125cc以下)以外の排気量125cc以上の二輪バイクです。

■ 有償輸送サービスのフードデリバリーサービスやバイク便

フードデリバリーバイク

バイクを使った有償輸送サービスとしては、Uber Eatsなどのフードデリバリーやバイク便が代表的です。
排気量125ccを超えるバイクで有償輸送を行う場合には、軽貨物運送事業の届出が必要となりますが、排気量125cc以下のバイクを使用する場合は、届出の義務はありません。

軽貨物運送事業の届出
125cc以上のバイク 必要
125cc未満のバイク
※原動機付自転車
不要

125ccを超えるバイクでフードデリバリーを行いたい場合には、軽貨物運送事業の届出が必要になる点に注意が必要です。

軽バンの規制緩和ってなに?


Amazonや楽天市場などのネットショッピングが当たり前になり、物流のラストワンマイル配送の需要が高まっています。
トラックと比べて機動力が高く、ルート選定も柔軟な軽バンを使った配送を見かける機会も非常に多くなりました。
規制緩和前は、軽貨物運送事業で使う軽自動車は用途が「貨物」で登録されている必要があり、普通の軽の乗用車を使いたい場合は、用途「貨物」の条件を満たす車両に構造変更する必要がありました。
規制緩和後は、用途「貨物」の条件を満たしていなくても以下のルールのもとであれば用途「乗用」のままで使うことでできるようになりました。
※「自家用又は事業用の別」が「事業用」になります。
※軽貨物運送事業が対象です。軽貨物運送事業の対象車両ではないハイエースを乗用から貨物に変更する場合は構造変更が必要にあります。

条件1:
最大積載量165kg (55kg(乗員重量)×3(乗車定員-ドライバー1名))
条件2:
貨物の運送に限る。旅客輸送はできない。
条件3:
過労運転の防止や運転者の酒気帯びの有無の確認等の運行管理を適切に行う

引用元:【国土交通省】貨物軽自動車運送事業における軽乗用車の使用について

まとめ


「貨物車」と一口に言っても、その定義や分類は法律・用途・構造などによって細かく分かれています。
特に「軽貨物」「小型貨物」「普通貨物」「商用バン」「一般貨物運送事業」などは、似た言葉でも意味や対象が異なるため、正しく理解することが大切です。
一般貨物や軽貨物といった運送事業の違いなどを解説しました。
近年では、軽バンを使った配送需要の高まりとともに規制緩和も進んでおり、「どの車をどう使うか」「どの届け出が必要か」は、業種や目的によって大きく異なります。
業務で貨物車を使う方はもちろん、これから配送ビジネスに関心がある方にも役立つ基礎知識として、ぜひ本記事を参考にしてみてください。