- 投稿日:2024年08月20日 13時31分
リターダ(Retarder)は、トラックやバスなどの大型車両に搭載される補助ブレーキシステムです。主に下り坂での走行時に使用され、車両の速度を制御する役割を果たします。リターダはエンジンブレーキと異なり、摩耗が少なく、持続的な制動力を提供できる点が特徴です。3種類のリターダがあるのでこの記事で解説しています。
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Contents
リターダの種類
1. 電磁リターダ
電気モーターと磁力を利用して制動力を発生させます。ドライブシャフトに設置されたディスクに磁力を加えることで、回転を減速させる仕組みです。
2. 油圧リターダ(流体式リターダ)
トランスミッション内でオイルを使用して制動力を発生させます。オイルの流れを調整することで、回転軸の抵抗を増やし、速度を抑制します。
3. 排気ブレーキ
排気ガスの流れを制御することでエンジン回転数を下げ、エンジンブレーキの効果を強化します。リターダの一種として数えられることがあります。
リターダを使用することで、メインのブレーキシステムの負荷を軽減し、ブレーキの過熱や摩耗を防ぐ効果が期待できます。特に長い下り坂での安全性向上に大きく貢献しますが、使用には適切な操作が必要です。
流体式リターダを詳しく解説!
流体式リターダ(または油圧リターダ)は、大型トラックやバスなどに搭載される補助ブレーキシステムの一種で、主に下り坂などでの速度制御を目的としています。油圧を利用して車両の速度を減速させる仕組みで、以下のような特徴があります。
仕組み
流体式リターダは、トランスミッション(変速機)やドライブシャフトに取り付けられたタービンやローターで構成されています。このシステム内に油圧回路があり、リターダが作動するとオイルが循環します。
具体的には、タービンが回転する際にオイルが高圧で循環し、その抵抗を利用して回転力を減少させます。このオイルの抵抗が車両の速度を落とす効果を持つのです。オイルの流れを調整することで、制動力を細かくコントロールできます。
特徴
- 強力かつ持続的な制動力
エンジンブレーキに比べて強力で、長時間の下り坂でも安定した制動力を維持できます。 - 摩耗が少ない
流体式リターダは、オイルの抵抗を利用するため、通常のブレーキのように摩耗する部品が少なく、メンテナンス頻度も比較的低いです。 - 制動力の調整が可能
リターダの操作レバーやスイッチで、制動力を段階的に調整できます。これにより、走行状況に応じた速度制御が可能です。 - 過熱防止機能
システムがオーバーヒートしないように、冷却システムが組み込まれていることが一般的です。これにより、長時間の連続使用でも安定した性能を発揮します。
メリットとデメリット
メリット
- メインブレーキの摩耗を減らし、ブレーキの寿命を延ばします。
- 安定した制動力で、特に長い下り坂や重い積載時の安全性が向上します。
デメリット
- システムが複雑で、大型車両への搭載が前提となるため、初期コストやメンテナンスコストが高くなることがあります。
- オイルの交換や冷却機能のメンテナンスが必要です。
流体式リターダは、安全性と経済性を兼ね備えたシステムで、大型車両の運行において非常に重要な役割を果たしています。
リターダの見分け方
リターダの見分け方は、以下のようなポイントで判断できます。
1. 操作レバーやスイッチ
リターダが装備されている車両では、運転席に専用の操作レバーやスイッチが設置されています。このレバーやスイッチを操作することで、リターダを作動させたり、制動力を調整したりします。通常、レバーが複数段階(1~5段階など)に分かれており、制動力を細かく調整できるようになっています。
2. ダッシュボードの表示ランプ
リターダ作動時に、ダッシュボード上に専用の警告灯や表示ランプが点灯する車両があります。これにより、リターダの作動状態を確認できます。
3. 車両のマニュアルや仕様書
車両の取扱説明書や仕様書に、リターダの有無が記載されています。特に大型車両では、装備品としてリターダが標準またはオプションで搭載されていることが明記されています。
4. 音や挙動
リターダ作動時に、エンジンブレーキとは異なる特有の音や振動が発生することがあります。例えば、電磁リターダの場合、作動中に独特な唸るような音が聞こえることがあります。また、ブレーキペダルを踏まずに減速しているような感覚も、リターダが作動している証拠です。
5. 外観(整備や点検時)
車両の下部を確認すると、リターダ装置が取り付けられている場合があります。電磁リターダや油圧リターダの場合、ドライブシャフトやトランスミッション周辺に追加のユニットが見えることがあります。
これらのポイントを参考にすると、リターダの装備有無を見分けやすくなります。また、運転時の車両挙動や操作感からも判断が可能です。
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リターダが劣化すると?
1. 制動力の低下
リターダの劣化が進むと、制動力が低下します。これは特に長い下り坂や重量がある荷物を運搬している際に顕著で、通常の速度制御が難しくなることがあります。結果として、メインのブレーキへの負担が増加し、ブレーキが過熱しやすくなります。
2. 異音や振動の発生
劣化したリターダが作動する際、異常な音や振動が発生することがあります。例えば、電磁リターダの場合、内部の部品が摩耗すると、作動時に異常な唸り音やガタつきが感じられることがあります。
3. リターダの応答遅延や不安定さ
リターダが正常に作動しなくなり、操作しても反応が遅れたり、安定した制動力を発揮できなくなったりすることがあります。これにより、運転時に不安定な挙動が見られ、特に下り坂での制御が難しくなります。
4. オーバーヒートや作動不良
油圧リターダの場合、オイルが劣化すると冷却機能が低下し、システムがオーバーヒートしやすくなります。これにより、リターダが自動的に停止したり、制動力が急に失われたりすることがあります。
5. 故障や完全停止
リターダが長期間劣化したまま使用されると、最終的に故障し、全く作動しなくなる場合があります。これにより、リターダに依存した制動ができなくなり、メインブレーキの負担が増加します。
予防と対策
リターダの劣化を防ぐためには、定期的な点検やメンテナンスが重要です。特に油圧リターダの場合、オイル交換やシステムのチェックが必要です。また、異常を感じた場合は早めに整備工場で確認することで、重大な故障や事故を防げます。
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