- 投稿日:2025年06月09日 17時14分

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キャンターってどんなトラック?
三菱ふそうキャンターは、日本の物流を支える小型トラックの代表格です。1963年の誕生以来、60年以上にわたって多くの事業者に愛され続けています。コンパクトな車体でありながら高い積載性を誇り、狭い道路での取り回しの良さから、都市部の配送業務から建設現場まで幅広いシーンで活躍しています。
三菱ふそうは世界的な商用車メーカー・ダイムラー・トラックの傘下企業として、確かな技術力と品質でトラック業界をリードしており、キャンターはその主力車種として国内外で高い評価を得ています。
キャンターが選ばれる理由
優れた機動性と使いやすさ
キャンターの最大の魅力は、その取り回しの良さにあります。小回りが利くため、狭い路地への進入や限られたスペースでの駐車も楽々。運転に慣れていない方でも扱いやすく、多くの企業で新人ドライバーの教習車としても重宝されています。
豊富なバリエーション
標準キャブからワイドキャブ、低床・高床仕様まで、用途に応じて選べる豊富なラインナップを用意。荷台の形状も平ボディからバンボディ、冷凍車まで、あらゆるニーズに対応できる柔軟性があります。
優れた燃費性能と環境対応
最新のクリーンディーゼルエンジンを搭載し、優れた燃費性能を実現。また、環境規制にもしっかりと対応し、CO2排出量の削減にも貢献しています。
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キャンターの歩み~初代から現行モデルまで
キャンターの誕生は1963年!
キャンターが誕生したのは1963年3月。当時、三菱日本重工業(のちの三菱ふそう)が発売した「T720型」が、キャンターの初代モデルです。
「キャンター(Canter)」という名前は、馬の軽快な駆け足を意味し、スピード感や信頼性をイメージして名付けられました。
この初代キャンターはキャブオーバー(運転席の下にエンジンがある)タイプで、都市部での使いやすさが大きな特徴でした。ホイールベースは2,400mm、エンジンは直列4気筒のKE42型ガソリン(90馬力)と、KE63型ディーゼル(61馬力)を選べました。
■2代目キャンター(1968年/T90系)
1968年に登場した2代目T90系は、ボディ剛性の向上や耐久性アップがポイント。荷台のバリエーションも増え、より実用的なトラックへと進化しました。
■3代目キャンター(1973年/T200系)
1973年にはT200系が登場。排ガス規制に対応しながら、エンジンのバリエーションがさらに広がり、商用トラックとしての信頼性が高まりました。主にNA(自然吸気)ディーゼルが採用されていました。
■4代目キャンター(1978年)
1978年モデルでは、衝撃吸収バンパーや視認性の高いフロントデザインを採用。全体的に角ばったデザインとなり、「昭和の働き者」として各地で大活躍しました。
■5代目キャンター(1985年/FE3/4系)
1985年に登場したこの世代では、安全性と快適性を重視。ブレーキ性能が向上し、フロントディスクブレーキも導入されました。エンジンにはターボ付きモデルも加わり、パワーアップも実現しています。
■6代目キャンター(1993年)
この世代からは空力性能を意識した丸みのあるスタイルに一新。キャビン内も広くなり、ドライバーの快適性が大きく向上しました。安全性能も高まり、当時の新型基準をリードする存在でした。
■7代目キャンター(2002年)
2002年には7代目に切り替わり、環境性能や安全性が一段と向上。排ガス規制「新短期」に対応し、オートマチック車のラインアップも充実してきました。ABSやエアバッグなどの安全装備も標準化が進みました。
■8代目キャンター(2010年)
2010年には、画期的な8代目が登場。デザインも大幅にリニューアルされ、特にトランスミッションにデュアルクラッチ式AMT「デュオニック」を採用したのが大きな話題に。エンジンには4P10型BlueTecエンジンを搭載し、燃費と環境性能を両立しました。
環境への対応。「エコハイブリッド」と電動トラック「eCanter」
■キャンター エコ ハイブリッド(2006年)
2006年に登場したエコハイブリッドは、日本初の量産型小型トラック用ディーゼルハイブリッドとして話題となりました。内燃機関と電気モーターの組み合わせにより従来モデルと比べて約10〜15%の燃費改善を実現し、環境負荷の軽減に大きく貢献しました。
- 開発目的:地球温暖化対策・都市型配送ニーズへの対応
- ベース車両:7代目キャンター(FE系)
- 車両区分:小型商用車(2t~3tクラス)
■電気トラック「eCanter」(2017年)
キャンターの歴史に新たな一歩を刻んだのが電気トラック「eCanter」です。
世界初の量産型電気小型トラックは、まさに次世代の配送車両。約100〜150kmの航続距離を持ち、走行時のCO2排出量はゼロ。静粛性も高く、住宅街や早朝配送に最適です。急速充電にも対応し、実用性も十分確保されています。
最新型キャンター(2020年以降)
2020年には8代目のマイナーチェンジが実施され、以下のような最新装備が追加されました:
- 衝突被害軽減ブレーキ(ABA3)
- サイドガードアシスト(歩行者・自転車検知)
- LEDヘッドランプ採用
- ドライバーの視認性・操作性向上
さらに2022年にはeCanterがフルモデルチェンジし、バッテリー容量の選択肢が増え、シャシーバリエーションも拡大。まさに“次世代小型トラック”として進化を続けています。
まとめ
60年以上にわたって日本の物流・建設・サービス業を支えてきたキャンター。ディーゼルからEVまで、時代のニーズに応えながら常に進化し続けています。
「小回りが利く」「燃費がいい」「安全性が高い」といった現代のトラックに求められる性能を、いち早く取り入れてきたキャンター。これからも私たちの街で活躍し続けること間違いなしです!
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