- 投稿日:2020年11月12日 9時51分
このコラムでは、トラックは金融資産として
どのようにトラックを運用すればいいかを考えています。
トラック一台一台から考えて、
入れ替える時期や、入れ替えの方法を提案しています。
今回は、運送会社さんから見た運用について
お伝えしたいと思います。
【大手運送会社からみたトラック】
大手の運送会社さんは、運送コストを長期スパンで見ています。
トラックの寿命が延びたことも、計算に入っているのです。
つまり、トラックの使用コストは相当低く見積もってあって、
場合によっては、
トラックの調達コストよりも低いコストでトラックを利用しています。
これは、大手企業のように、仕事が必ずある前提であれば成り立ちます。
最終的にトラックが高値で再販できないとしても、
トラックが運送をしている分は、お金が回るようにできているのです。
【中小運送会社からみたトラック】
中小の運送会社から見たら、大手のようにはいきません。
荷主さんの景気や、輸送物の増減。
そして、運ぶものの変更によって、トラック調達コストがかかるのです。
私も中小の運送会社を少しは見てきましたが、
荷主に合わせて、トラックを購入してそれがなくなると再販。
そんなサイクルにいると、どうしてもトラックの購入価格を
運送コストに入れなければ、成り立ちません。
荷主さんからの契約がなくなれば、
せっかく買ったトラックを、寿命いっぱいに使うことなく、
再販する憂き目にあいます。
つまり、トラックの設備投資を回収する前に、
そのトラックを手放さなければならなくなるのです。
【コスト削減に必要なこと】
トラックを金融資産にするためには、大前提があります。
それは、そのトラックを使う仕事を切らさないこと。
トラックリースの仕事を始めたときはわかりませんでしたが、
今は「貸し出すのがちょっと怖いな」というのは
少しづつ気づけるようになってきました。
高い運送売上につられて、安定しない仕事に手を出す時は
仕事がなくなった瞬間に、資産が負債に大逆転をおこします。
最近では仕事の依頼が短期になったということも、リスクです。
コスト削減の前に、安定した需要があるのが必要です。
トラック輸送の売上だけに目をとらわれることなく、
継続して仕事をしていくということに取り組んでこそ、
初めてコスト削減になるというものです。
トラックを金融資産とする前に、
安定した運送需要はとても重要です。