- 投稿日:2021年08月05日 14時24分
【トラックが盗まれた!】
数年前にある大型ダンプの会社が資金が回らなくなり、
連絡がつかなくなりました。
リース車両を貸し出していた私達は、
ダンプを探しに現地へ向かいました。
他社リースの車両を合わせると、
結構な台数になります。
本社とダンプが留まっているはずのヤードは、
なにもありませんし、誰もいません。
私達は手がかりを求めて、
地元の取引先をまわり、聞き込みをします。
事情を話すと、取引先の社長は協力してくださり、
ドライバーに聞いてくださいます。
ドライバーに電話すると、
「(50km離れた)〇〇市で昨日見たよ」
「〇〇町のガソリンスタンドの裏に停めてある」
などと、続々と情報が集まります。
ダンプドライバーの情報ネットワークは細かく、
何月何日の何時頃どこで、
該当ダンプとすれ違ったか、
トラックのナンバー、仕様、架装に始まり、
ドライバーの性格、家族構成にいたるまで、
情報が流れてきます。
その情報ネットワークのおかげで、
他社車両も含めて、ダンプはすべて見つかり、
きれいになって、今も現役で走っています。
【見つかった理由】
ダンプに限らずトラックは高価なものです。
盗まれる危険性もあります。
リースの仕事をするときには、
盗難にあった場合も含めてリスクを考えます。
しかし、
パーツはともかく、トラック本体が盗難にあうことは、
とても少ないです。
理由は、
トラックは登録制のため、識別番号がついています。
廃車するのにも許可がいるのです。
転売しようにも、勝手に転売はできないからです。
また、
乗用車によくあるように、
パーツに分けて販売ということが言われますが、
トラックは汎用性の高いものが少なく、
個別にカスタマイズされているため、
パーツの再販が難しい事が挙げられます。
個別にカスタマイズされているからこそ、
ダンプドライバーの情報ネットワークのように、
細かにどこで走っているというのも、
情報として残り、防犯の役に立っています。
【防犯は必要です】
トラックを盗んでも、
再び日本では走ることができません。
パーツを海外に輸出しても、
高値では売れません。
盗んで転売するお金より、
走らせて稼ぐほうが高いです。
GPSが内蔵されていて、
どこにあるか補足される。
その他様々な理由で、
トラックは盗まれにくくなっています。
とはいえ、盗まれて良いものではありません。
鍵の管理、車の整備、ヤードの防犯。
トラックの保全には十分お気をつけください。