- 投稿日:2021年09月24日 15時42分
ヨシノ自動車にはファストエレファントという、
ボルボトラックをカスタムするプロジェクトがあります。
その現場を見ていると、
トラックを単なる輸送機器として考えるのでなく、
あるときは住居として、
あるときはコミュニケーションの場として、
あるときは旅行の交通機関として、
様々な側面でトラックを考えているのがわかります。
トラックをキャンピングカーにカスタムするのも、
バーベキューグリルを設置するのも、
WifiネットワークやPCを完備するのも、
そうした思想を体現しているのです。
逆にこのコラム
「トラックは金融資産」というものは、
徹底的にコスト削減を推奨しているように見えるようです。
文章にしてみると、
どうしても「こっちのほうがお得です」と書いてしまうのですが、
トラックのコストを下げるために、
仕事の楽しみまで奪ってしまうのとは、ちょっと違います。
▼ヨシノ自動車 公式Twitter
例えば、積み荷の上げ下げをするためのゲートは
つけないほうがコストが下がるので、おすすめしません。
なんてことは言いません。
メッキもつけたほうが、ドライバーも喜びますし、
多少の架装はつけたほうが良いです。
逆に、よく考えられた仕様は再販でも有利に働きます。
高く売れるのです。
そして、
多少の架装グレードを上げたところで、
月々のトラックコストはそんなに大きく変わりません。
それによってドライバーが辞めずに働いてくれれば、
事故を起こさず売上を上げてくれれば、
とてもやすい投資となります。
これからの輸送が自動運転トラックに置き換わるなら、
コストが下がれば下がるほど、
利益は出るものなのかもしれません。
今は、ドライバーも荷主の担当者も、
運送会社の経営者も全て感情のある人間です。
運ぶ荷物がきちんとした環境で、
運送会社のドライバーによって責任持って運ばれる
ということを全うするためには、
輸送時間の快適さや安全に気を配る必要があります。
逆に「予算が足りないから」
という理由で、仕様グレードを下げることは、
結果的にコストが上がるということになります。
再販価格が下がってしまうからです。
先述の通り、
人の手を介さない仕事はコスト削減の方向に
行くのかもしれませんが、
人が絡む仕事に関しては、
ファストエレファントのように、物を運ぶだけでなく、
多様化したトラックが求められるようになるのかもしれません。
運送会社にとっても、
トラックをどのように考えるかで、
ドライバーが集まったり、離れていったりする
そんな時代がやって来るのかもしれません。